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高齢者の脱水・熱中症対策|家庭で作れる経口補水液と飲み物の選び方

2024年7月28日

高齢者は、脱水に気づくのが遅れがちです。喉の渇きを感じにくく、本人が「大丈夫」と言っていても、体の中では水分が足りなくなっていることがあります。脱水が進むと、夏は熱中症の引き金のひとつにもなります。

この記事では、見逃しやすい脱水のサインと、水・麦茶・スポーツドリンク・経口補水液の選び方、家庭で作れる経口補水液のレシピをまとめました。

tefutefu

元ケアマネジャー歴14年(支援300件以上、相談1000件以上)。在宅の支援では、「なんとなく元気がない」の原因が水分不足だったということが珍しくありません。毎日の飲み物選びに使える工夫をまとめました。

この記事でわかること

  • 高齢者の脱水の見逃しやすいサイン
  • 脱水と熱中症の関係
  • 水・麦茶・スポーツドリンク・経口補水液の選び方
  • 家庭で作れる経口補水液のレシピと注意点

✓ 先にレシピだけ知りたい方は、こちらからどうぞ。

高齢者の脱水症状|見逃しやすい初期サイン

脱水は、はっきりした症状が出る前に、小さな変化として表れます。日常の中で、次のようなサインがないか気にかけてみてください。

  • 皮膚のハリがなくなり、乾燥している
  • 口の中や唇が乾いている
  • 脇の下が乾いている
  • 尿の回数・量が減り、色が濃くなっている
  • 元気がなく、ぼんやりしていることが増えた
  • 微熱がある

MEMO

なぜ脇の下で分かるの?

脇の下は腕で閉じられているため、ふだんは少し湿り気があります。体の水分が足りなくなると、この湿り気がなくなり、乾いた状態になります。着替えのときなどに、手のひらでそっと触れて確かめてみてください。あくまで目安のひとつなので、ほかのサインとあわせて見ることが大切です。

こうしたサインに気づいたら、早めに水分をとってもらいましょう。

熱中症予防は脱水対策から

脱水は、水分をとる量が足りないときや、たくさん汗をかいたとき、下痢や嘔吐、発熱が続いたときなどに起こります。

熱中症は、暑さの中で体温をうまく調節できず、体の中に熱がこもった状態です。

脱水は熱中症の原因になる

暑いとき、体は汗をかいて体温を下げようとします。そのときに水分や塩分を補わないと脱水になり、汗をかく力も落ちて、体に熱がこもりやすくなります。これが、脱水が熱中症の原因のひとつになる理由です。

熱中症の危険度

熱中症は、症状の重さによって3つの段階に分けられます。

  • Ⅰ度(軽症):めまい、立ちくらみ、大量の汗、筋肉のこむら返り
  • Ⅱ度(中等症):頭痛、吐き気・嘔吐、強いだるさ
  • Ⅲ度(重症):意識がおかしい、全身のけいれん、高い体温
熱中症の症状3段階を説明した図

⚠ 注意

呼びかけへの反応がおかしい、自分で水分をとれない、けいれんがあるといった場合は、すぐに救急車を呼んでください。意識がはっきりしないときに無理に飲ませると、むせて気管に入る危険があります。

高齢者ほど脱水には注意が必要

2025年の夏(5〜9月)に熱中症で救急搬送された人のうち、57.1%が65歳以上の高齢者でした。発生場所で最も多いのは住居で、家の中にいても油断はできません。
(出典:総務省消防庁「令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」)

高齢者は、体の中の水分量がもともと少なく、喉の渇きや暑さも感じにくくなっています。本人が求めるのを待たず、周りの家族が意識して水分をすすめることが大切です。

✓ 高齢者に必要な1日の水分量は、1,500ml以上が目安です。

脱水対策の飲み物|水・麦茶・スポーツドリンク・経口補水液の選び方

脱水対策の飲み物は、場面によって向き・不向きがあります。ふだんの水分補給と、汗をたくさんかいたとき、脱水の症状があるときとで分けて考えるのがポイントです。

飲み物 向いている場面 気をつけたいこと
水・麦茶 ふだんの水分補給 たくさん汗をかいたときは、塩分を補えない
スポーツドリンク 汗をかいたとき、入浴後 糖分が多いので、飲みすぎに注意
経口補水液 脱水の症状があるとき、下痢・嘔吐・発熱のとき ふだんの水分補給には向かない。塩分や糖分を制限されている人は医師に相談

水

水は、いつでも手軽に飲めるのが一番の利点です。ふだんは常温やぬるめの方が、おなかに負担をかけにくく飲みやすいでしょう。

一方で、暑さで体が熱くなっているときは、冷たい飲み物の方が体の熱を下げるのに役立ちます。場面に合わせて使い分けてください。

麦茶

麦茶はカフェインを含まないため、トイレが近くなるのを気にせず飲めるのが利点です。香ばしい味で、水だと飲み進まない方にも取り入れやすい飲み物です。

水や麦茶は、ふだんの水分補給に向いています。ただし、たくさん汗をかいたときは、水分と一緒に塩分(ナトリウム)も失われるため、水や麦茶だけでは補いきれません。

スポーツドリンク

スポーツドリンクは、水分と一緒に塩分などのミネラルも補えるため、汗をかいたときや入浴後の水分補給に向いています。

ただし、飲みやすくするために糖分が多く含まれているものが一般的です。糖尿病などで糖分を控えるよう言われている方は、飲む量に注意しましょう。

経口補水液とは|脱水の症状があるときの飲み物

経口補水液は、水分と塩分(ナトリウム・カリウム)、糖分(ブドウ糖)を、体に吸収されやすい割合で配合した飲み物です。スポーツドリンクと比べると、糖分が少なく、塩分が多いのが特徴です。

ドラッグストアで手に入り、ゼリータイプのものもあります。飲み物だとむせやすい方には、ゼリータイプの方がとりやすい場合があります。下痢や嘔吐、発熱のときにも使えるので、いくつかストックしておくと安心です。

⚠ 注意

経口補水液は、脱水の症状があるときの飲み物です。ふだんの水分補給として飲み続けるものではありません。
腎臓や心臓の病気などで、医師から塩分(ナトリウム・カリウム)や糖分を制限されている方は、飲む前に必ず医師に相談してください。

家庭で作れる経口補水液のレシピ

レシピ

材料と作り方(約1L分)

材料

  • 水:1L
  • 食塩:3g(小さじ1/2)
  • 砂糖:40g(大さじ4と1/2)
  • レモンなど柑橘の果汁:お好みで少し

作り方

  1. 水に食塩と砂糖を入れ、よく混ぜて溶かす
  2. 飲みにくいときは、柑橘の果汁を少し加えると、すっきりした味になる

食塩の量が多すぎると体に負担がかかるので、計量スプーンで正確に量ってください。

作った経口補水液は冷蔵庫で保存し、その日のうちに飲み切りましょう。

✓ 手作りの経口補水液は、市販品が手元にないときの代わりとして使いましょう。塩分や糖分を制限されている方は、手作りの場合も医師に相談してください。

よくある質問

まとめ|場面に合った飲み物で脱水を防ぐ

高齢者は喉の渇きを感じにくく、脱水に気づくのが遅れがちです。口や脇の下の乾き、尿の変化など、小さなサインを家族が見逃さないことが大切です。

飲み物は、ふだんは水や麦茶、汗をかいたときはスポーツドリンク、脱水の症状があるときは経口補水液と、場面に合わせて使い分けましょう。呼びかけへの反応がおかしい、水分をとれないといったときは、無理に飲ませず、すぐに救急車を呼んでください。

認知症の方は、脱水によって落ち着きがなくなるなど、いつもの症状が強く出ることがあります。季節を問わず、1日1,500mlを目安に、こまめな水分補給を続けていきましょう。

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この記事を書いた人

tefutefu

元ケアマネジャー(支援300件以上、相談1000件以上)。企業向け「仕事と介護の両立」セミナー、一般の介護者向けセミナーの講師としても活動。これまでの経験をもとに、在宅介護者向けの認知症ケア情報や、介護をひとりで抱え込まないための情報を発信中。

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