
高齢者は、脱水に気づくのが遅れがちです。喉の渇きを感じにくく、本人が「大丈夫」と言っていても、体の中では水分が足りなくなっていることがあります。脱水が進むと、夏は熱中症の引き金のひとつにもなります。
この記事では、見逃しやすい脱水のサインと、水・麦茶・スポーツドリンク・経口補水液の選び方、家庭で作れる経口補水液のレシピをまとめました。
元ケアマネジャー歴14年(支援300件以上、相談1000件以上)。在宅の支援では、「なんとなく元気がない」の原因が水分不足だったということが珍しくありません。毎日の飲み物選びに使える工夫をまとめました。
この記事でわかること
- 高齢者の脱水の見逃しやすいサイン
- 脱水と熱中症の関係
- 水・麦茶・スポーツドリンク・経口補水液の選び方
- 家庭で作れる経口補水液のレシピと注意点
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高齢者の脱水症状|見逃しやすい初期サイン
脱水は、はっきりした症状が出る前に、小さな変化として表れます。日常の中で、次のようなサインがないか気にかけてみてください。
- 皮膚のハリがなくなり、乾燥している
- 口の中や唇が乾いている
- 脇の下が乾いている
- 尿の回数・量が減り、色が濃くなっている
- 元気がなく、ぼんやりしていることが増えた
- 微熱がある
MEMO
なぜ脇の下で分かるの?
脇の下は腕で閉じられているため、ふだんは少し湿り気があります。体の水分が足りなくなると、この湿り気がなくなり、乾いた状態になります。着替えのときなどに、手のひらでそっと触れて確かめてみてください。あくまで目安のひとつなので、ほかのサインとあわせて見ることが大切です。
こうしたサインに気づいたら、早めに水分をとってもらいましょう。
熱中症予防は脱水対策から
脱水は、水分をとる量が足りないときや、たくさん汗をかいたとき、下痢や嘔吐、発熱が続いたときなどに起こります。
熱中症は、暑さの中で体温をうまく調節できず、体の中に熱がこもった状態です。
脱水は熱中症の原因になる
暑いとき、体は汗をかいて体温を下げようとします。そのときに水分や塩分を補わないと脱水になり、汗をかく力も落ちて、体に熱がこもりやすくなります。これが、脱水が熱中症の原因のひとつになる理由です。
熱中症の危険度
熱中症は、症状の重さによって3つの段階に分けられます。
- Ⅰ度(軽症):めまい、立ちくらみ、大量の汗、筋肉のこむら返り
- Ⅱ度(中等症):頭痛、吐き気・嘔吐、強いだるさ
- Ⅲ度(重症):意識がおかしい、全身のけいれん、高い体温

⚠ 注意
呼びかけへの反応がおかしい、自分で水分をとれない、けいれんがあるといった場合は、すぐに救急車を呼んでください。意識がはっきりしないときに無理に飲ませると、むせて気管に入る危険があります。
高齢者ほど脱水には注意が必要
2025年の夏(5〜9月)に熱中症で救急搬送された人のうち、57.1%が65歳以上の高齢者でした。発生場所で最も多いのは住居で、家の中にいても油断はできません。
(出典:総務省消防庁「令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」)
高齢者は、体の中の水分量がもともと少なく、喉の渇きや暑さも感じにくくなっています。本人が求めるのを待たず、周りの家族が意識して水分をすすめることが大切です。
✓ 高齢者に必要な1日の水分量は、1,500ml以上が目安です。
脱水対策の飲み物|水・麦茶・スポーツドリンク・経口補水液の選び方
脱水対策の飲み物は、場面によって向き・不向きがあります。ふだんの水分補給と、汗をたくさんかいたとき、脱水の症状があるときとで分けて考えるのがポイントです。
| 飲み物 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 水・麦茶 | ふだんの水分補給 | たくさん汗をかいたときは、塩分を補えない |
| スポーツドリンク | 汗をかいたとき、入浴後 | 糖分が多いので、飲みすぎに注意 |
| 経口補水液 | 脱水の症状があるとき、下痢・嘔吐・発熱のとき | ふだんの水分補給には向かない。塩分や糖分を制限されている人は医師に相談 |






