1日1,500mlという数字を見て、「そんなに飲めるの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
実はこの数字、なんとなく決められたものではありません。高齢者の体の仕組みから導き出された、科学的な根拠があります。
介護の現場では、「水分は飲ませているつもりだったのに脱水になっていた」というケースを何度も経験しました。「つもり」と「実際に必要な量」の間には、大きなギャップがあるのです。
なぜ1日1,500mlなのか。その根拠を図解で解説します。
元ケアマネジャー歴14年(支援300件以上、相談1000件以上)の現場経験と生理学の知識をもとに、実際に効果のあったケアを図解にまとめています。

高齢者の体内水分量は、若い頃の約60〜65%から50%前後まで低下します
蓄えられる水の「タンク」が小さくなっているため、少しの水分不足でも脱水になりやすい状態です。 猛暑の日は特に注意が必要です。

熱中症で救急搬送される人の約半数は65歳以上の高齢者です
高齢者は口渇中枢(喉の渇きを感じる脳の機能)が衰えているため、 「喉が渇いた」と感じる前にすでに脱水が進んでいます。 家族からの声かけが、最大の予防策になります。

1日に失われる水分は、合計で約2,500mlにのぼります
尿・汗・呼吸・便から、意識していなくても水分は出続けています。 高齢者は発汗機能も低下しているため、自分では気づきにくいのが実情です。

飲み水として意識的に補う必要があるのは、約1,500mlです
食事からの水分(約700〜800ml)や体内でつくられる代謝水(約200〜300ml)を差し引くと、 残りを飲み水で補う計算になります。これが1,500mlの根拠です。

水分バランスが整うと、血流・体温調節・老廃物の排出がスムーズになります
逆に、体重の2%の水分が失われると集中力の低下が起き、 5%以上では意識障害につながることもあります。 「少しぼーっとしている」と感じたら、まず水分を確認してください。

1日7回、コップ1杯(約200ml)を飲むタイミングを決めておくと達成しやすくなります
起床時・朝食・10時・昼食・15時・夕食・就寝前が目安です。 水よりも麦茶やほうじ茶のほうが飲みやすい方も多いため、 本人の好みに合わせて選んでください。

この記事でわかったこと
- 高齢者は体内の水分タンクが小さく、少しの不足でも脱水になりやすい
- 1日1,500mlの根拠は、排出と摂取のバランスを計算した結果
- 喉が渇いてからでは遅い——タイミングを決めた声かけが脱水を防ぐ



