
認知症を発症した親が急に怒り出したり、夜中に歩き回ったりして、どう対応すればいいか途方に暮れていませんか。
暴言・徘徊・落ち着きのなさといった症状は「BPSD(行動・心理症状)」と呼ばれ、認知症そのものではなく、体の状態が引き金になっていることがほとんどです。
「水分・食事・排便・運動」の4つのケアを整えるだけで、BPSDは改善できます。 そのメカニズムを図解で解説します。
元ケアマネジャー歴14年(支援300件以上、相談1000件以上)の現場経験と生理学の知識をもとに、実際に効果のあったケアを図解にまとめています。

BPSDは薬だけで抑えようとすると、副作用や依存のリスクが伴います。水分・食事・排便・運動という「体の基本を整えるケア」を実践することで、症状が改善したケースを現場で何度も見てきました。まずはこの4つから始めてください。

水分不足が血液をドロドロにし、脳への血流を悪化させる
水分が足りないと血液が濃縮され、脳への酸素供給が滞ります。 その結果、落ち着きのなさ・幻覚・意欲低下といったBPSDの症状が一気に悪化します。
水分補給はシンプルですが、BPSDに対して即効性のある対策です。心不全・腎臓病・糖尿病など医療上の制限がある方は、必ず主治医に相談してください。

低栄養は認知力だけでなく、感情のコントロールも奪う
認知症の人は「食べたくない」ではなく「食べ方がわからなくなっている」こともあります。 食事量が減ると体力・認知力・感情の安定がすべて低下します。
調理が難しくなってきたら配食サービスや栄養補助飲料を迷わず活用してください。腎臓病・糖尿病の方は医療による食事制限を優先してください。

便秘が自律神経を刺激し続け、暴言・興奮の引き金になる
硬い便が直腸に停滞すると、自律神経が常に刺激され続け、興奮・暴言・落ち着きのなさが強まります。 下剤は最小限にとどめ、規則的な生活・食物繊維・水分・運動で自然な排便を促すことが根本的な解決策です。
便秘が解消されると、攻撃的な言動が落ち着いてくるケースが非常に多くあります。

歩くことで脳血流が増し、認知力と睡眠の両方が改善する
歩く動作は全身の筋肉を使い、脳への血流を増やします。 毎日の外出が難しい場合は、デイサービス・デイケアを活用することで安全に運動習慣をつけることができます。
水分・食事・排便・運動の4つは互いに連動しており、1つを改善すると他も整いやすくなります。


この記事でわかったこと
- 認知症の暴言・徘徊・夜間の興奮は「BPSD」であり、水分・食事・排便・運動の4つのケアで改善できる
- 水分不足・低栄養・便秘・運動不足は互いに連動しており、1つを改善すると他にも良い影響が出る
- まず水分補給(1日1,500ml)から始めるのが、最も即効性が高く取り組みやすい



